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内視鏡外科センター

内視鏡外科手術の代表的な手術 / 胆石症

▲写真はいろんな胆石 それぞれ1人の患者様から摘出したもの

1&2.コレステロール系のとがった胆石
3.割れた胆石
4.直径2.5cmの胆石
5.1,643個の小さな胆石

内視鏡外科手術で変わった胆石手術

胆石とは脂肪分の消化を助けるために肝臓で生成された胆汁中の成分が溶けきれず、石のように固まったものをいいます。
胆汁の存在する肝内、胆管、胆嚢に発生します。
特に胆嚢では胆汁が濃縮されて貯蔵されるために、胆石が出来やすくなります。

胆石による症状

胆石による症状は様々。

代表的な症状は、みぞおちの痛みや右のわきばらの痛みで、胆石が胆嚢から出ようとする時に、尿管結石と同様に疝痛(せんつう)といわれている激しい腹痛に襲われ、七転八倒の苦しみを経験することもあり、救急車で病院へ駆け込んでこられる方も多く見られます。

手術は炎症がなく、元気なうちに!!

これまでの胆石手術は、お腹を大きく切る開腹手術のために、術後の回復期間や腸の癒着による痛み、腸閉塞による再手術などのデメリットがありました。それゆえに何らかの症状がある時にのみ、手術を勧めていました。「胆石は症状がなければ手術せずに様子をみましょう」という医師の説明も、ごく当たり前のことだったのです。

しかし内視鏡外科手術法が開発されて、胆石手術の考え方が一変しました。癒着がほとんど起こらず、術後の痛みも少なく、1?2泊で退院して元の生活に戻れるようになったからです。

このことからも、痛みなどの症状がない胆石症の人にも“手術を受ける”ことをお勧めしています。

胆石はページ上の写真のように人によって様々です。無症状の胆石でもいわゆる不発弾を持っているのと同じことです。

一旦、爆発する(石が暴れだす)と、大手術で長期入院が必要になることや、命の危険にさらされることもあります。10年間無症状だった胆石が、今晩にでも暴れだす可能性は十分考えられるのです。

体力がある元気なうちに、内視鏡外科手術を受けるということは、不発弾を完全に処理し、胆石のストレスから開放されるだけではありません。症状のない時の胆嚢は炎症がほとんどないため、手術が安全で容易に行えるのです。簡単な症例は1時間以内の手術ですみますが、高度胆嚢炎をきたした症例では3~5時間におよぶこともあります。

胆石症を開腹手術と内視鏡外科手術で行った場合の比較

開腹手術(左)と内視鏡外科手術(右)の手術あと
大きく太いミミズがはっているようなキズあとが残るのに対し、内視鏡外科手術ではキズあとがほとんどわかりません。

  開腹手術 内視鏡外科手術
キズの長さ(合計) 10~15cm
(1カ所)
2.5~3cm
(0.5cm3カ所、1cm1カ所)
手術時間 普通の体格の方:60~80分
肥満の方:100~160分

普通の体格の方:50~70分
肥満の方:60~80分

術後の痛み 大きい ごく軽度
食事の開始 手術から2~3日 手術の翌日(水分は当日から)
入院期間 2~3週間 1~3日
日常生活への復帰 約1カ月後 手術から4~7日前後
手術のキズあと 目立つ ほとんどわからない
術後の腸癒着 起こりうる(防止策無し) ほとんど発生しない
注意事項 ほとんどの外科医が安全に手術できる 手技に慣れた外科医でないと、手術中や後にも合併症が発生する危険性がある

最新情報

小さな傷をより少なくする内視鏡外科手術 SILSを開始!!

第一東和会病院 内視鏡外科センターでは単孔式腹腔鏡下外科手術(SILS)を行っています。

例えば従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術は、4カ所の傷でしたが、最近、へそ部分1カ所の手術(あと)しか残らない方法が行なわれるようになってきました。第一東和会病院でもより患者様の苦痛を軽減すべく、症例を選んで本法を積極的に取り入れています。

手術の安全性を考慮し、ハイブリッドSILS(2孔式)にて施行することもあります。

詳しくは外来にきていただくか、地域連携室のEメールでお問合せください。

メーラーから送信する

SILSとは Single Incision Laparoscopic Surgery の略で単孔式腹腔鏡下手術のこと。 シルスと読みます。

 

内視鏡外科手術の代表的な手術 / 総胆管結石

胆石症でも総胆管にできる結石を、総胆管結石といいます。
総胆管は、消化作用を強化するために不可欠な胆汁を、十二指腸まで送るための大切な通路で、この総胆管に結石ができてしまう病気が総胆管結石症です。

総胆管結石

管に石が詰るという単純な障害ですが、治療しても合併症が起こったり、進行すると命に関わる重度な病気を発症するため危険です。

胆嚢でできた結石が胆管に移動するのが原因である場合が多く、右上腹部のさしこみといわれる疝痛や黄疸に発熱などの症状が現れます。人によっては何の症状も現れない場合もあるので注意が必要です。

胆汁は十二指腸へ向かって流れる液体です。しかし、胆汁の通路である総胆管が石で塞がれてしまった場合、胆管内に細菌が留まってしまい、胆管炎の原因となります。

その状態を放置すると敗血症DIC(播種性血管内凝固症候群)などの怖い病気を発症する恐れもありますので、早期発見に早期治療が重要です。

胆管に結石があった場合は、症状の有無に関わらず、必ず治療しなければなりません。

治療は手術で行なうため、どうしても症状が無いと放置しがちになってしまいます。

内視鏡外科手術による総胆管結石の治療

2ステップの治療

従来の総胆管結石の内視鏡外科手術は、2ステップにより行なっていました。

まず入院した上で、内科の静脈麻酔下で胃カメラを施行します。

乳頭部を切開して総胆管の石を取り出すEST(内視鏡的乳頭切開術)を行ないます。

その後、全身麻酔下にてLAP-C(腹腔鏡下胆嚢摘出術)を行ないます。

患者さまは、内科的処置であるESTと外科処置であるLAP-Cの2回の手術リスクを負わなければなりませんでした。

第一東和会病院では、胆嚢結石と総胆管結石をすべて手術で1ステップにて治療します。

ESTの合併症である膵炎や、胆管炎、結石の再発が回避でき、1回の全身麻酔ですべて治療します。

2010年12月までに192症例を経験し、大きな合併症も生じておりません。

詳しい説明をお聞きされたい方は、まずは地域連携室にメールにてお問合せください。

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